ADHDで社会に出てから
「普通の人はどうしてこんなに仕事ができるんだろう」
と感じたことはありませんか?
私は26歳のときにADHDと診断されました。
それまで約8年間、仕事を転々としながら働いてきましたが
「なぜ普通の人のように仕事ができないのか」
と悩み続けていました。
この記事では、ADHDの私が社会に出て気づいた
普通の人との違い7つ
を紹介します。
私のように遠回りする人が少しでも減れば嬉しいです。
ADHDで仕事に悩んでいる方の参考になればと思います。
普通の人はタスク管理で困っていない
社会に出て働き始めて、まず驚いたことがあります。
それは 多くの人がタスク管理であまり困っていないということです。
仕事では
- 複数の仕事を同時に進める
- 優先順位を考えて作業する
- 締切を守る
といったことが当たり前のように求められます。
しかし、ADHDの私にとってはこれがとても難しく感じました。
例えば、やるべき仕事がいくつかあると
- 何から手をつければいいのか分からない
- 別の作業を思い出して途中で切り替えてしまう
- 気づいたら時間だけ過ぎている
ということがよくありました。
普通の人は頭の中で自然に仕事を整理して
「今はこれをやるべき」と判断できるようですが、
私はその整理がうまくできないことが多かったです。
そのため、仕事を始める前にタスクを書き出したり、
やることをリストにして整理する必要がありました。


ミスの量が明らかに違う
ADHDの人は注意力の特性から、ケアレスミスが起きやすいと言われています。
働いていて感じたのは、ミスの量が明らかに違うということでした。
どれだけ気をつけていても
- 数字の入力ミス
- 確認漏れ
- 聞き間違い
などのケアレスミスが起きてしまうことがあります。
普通の人でも起こり得ることですが、
「どれだけ気をつけてもミスをしてしまう」という状況が続くと、
間違えたときのメンタルのダメージはかなり大きいものでした。
次第に
「自分に業務が回ってこないほうがいいのではないか」
と考えてしまうようになり、
周囲から見たらやる気のない社員だったかもしれません。
そして
「なんで自分だけこんなにミスするんだろう」
という考えが頭の中でぐるぐると回り、
家に帰ってもそのことを考えてしまうことがありました。
次の日はうまくいくかな、と願うばかりでした。
逆に
- パンフレットを封筒に入れる
- 簡単な単純作業
のように、1〜2個のタスクだけの仕事であれば何とかこなすことができました。
ただ、それだけではあまり戦力になれていないのではないかと感じることもありました。
マルチタスクは地獄
社会に出ると、同時にいくつものことを処理する場面がよくあります。
例えば
- 電話対応
- メール返信
- 作業
- 上司からの新しい指示
などが重なることがあります。
しかし、ADHDの私はこれがとても苦手でした。
複数のことを同時に処理しようとすると
- 頭が真っ白になる
- 作業が止まる
- 何をしていたのか分からなくなる
といった状態になることもありました。
これはADHDの特性の一つである過集中とも関係しているのではないかと感じています。
一つの作業に強く集中していると、そこから急に別の作業へ切り替えるのがとても難しいのです。
例えば電話対応一つとっても、その前まで他の業務に集中しているため、急に電話が鳴ると驚いてしまうことがありました。
電話に出ても、第一声がなかなか出てこず、しどろもどろな対応になってしまうこともありました。
そのたびに上司に心配をかけてしまったことを覚えています。
また、マルチタスクでは異なる業務を行き来するため、切り替えのタイミングで頭がフリーズしてしまうこともありました。
さらに、次の業務でやろうと思っていたことを忘れてしまうこともあり、マルチタスクの環境は私にとってとても大変なものでした。
ADHDの人はシングルタスクの方が力を発揮しやすいと言われています。
「普通にできるでしょ」が一番つらい
ADHDでつらいのは、周囲から
「普通にやればできるでしょ」
と言われてしまうことです。
本人は頑張っているつもりでも
- 忘れてしまう
- ミスをしてしまう
- 作業が遅くなる
ということが起きてしまいます。
それでも周囲からは
「もっとちゃんとやればできるはず」
と言われてしまうことがあり、
それが精神的にとてもつらく感じることもありました。
そのため対人関係は、入社後から徐々にうまくいかなくなりました。
もちろん私のミスが原因の部分もありますが、少しずつ会社に居づらさを感じるようになりました。
「9割の人が普通にできていることなのに、なぜ自分はできないのだろう」
そんなことを何度も考えていました。
学生の頃は、学業でほとんど不自由を感じたことはありませんでした。
むしろ成績は良い方だったと思います。
それなのに、仕事になると不安ばかりが増え、
涙が出てしまうこともありました。
「普通にできるだけでいいのに…」
そんな気持ちを抱えながら、転職する際には
「この会社の業務が自分に合っていなかっただけだ」
と自分に言い聞かせていました。
ADHDの特性は周囲から理解されにくく、「努力不足」と誤解されてしまうことも少なくありません。
向いている仕事と向いていない仕事がはっきりする
社会に出て分かったのは、仕事との相性がかなり大きいということです。
例えば、細かい作業が多くミスが許されない仕事は、
私にとってとても大きな負担でした。
一方で
- 集中して作業できる仕事
- 自分のペースで進められる仕事
- シングルタスクの仕事
では比較的働きやすく感じることもありました。
同じ人でも、仕事の内容によって働きやすさは大きく変わると感じました。
シングルタスクで他の業務が入らなければ、気持ちに余裕ができ、
自分のペースでミスも最小限に抑えることができます。
実際、入社直後は簡単な業務から始まるため、
まだ自分の力を発揮できていたように思います。
しかし仕事に慣れてくると徐々に業務量が増え、
複数の仕事を同時にこなす必要が出てきました。
その結果、ミスを連発してしまうこともありました。
この経験から、ADHDの人にとっては
仕事の内容や働き方の配慮がとても重要なのではないかと、今では感じています。
環境が9割
ADHDは努力よりも、環境の影響がとても大きいと感じました。
例えば
働きにくい環境
- 騒がしい職場
- 指示が曖昧
- 常に急ぎの仕事が入る
働きやすい環境
- 静かな場所
- タスクが明確
- 自分のペースで作業できる
環境が変わるだけで、仕事のやりやすさは大きく変わることがあります。
私自身、最初の頃は働きにくい職場を転々としていました。
まだ自分がADHDだと知らなかったからです。
騒がしい環境では注意力が散漫になり、
マルチタスクが苦手な私は、急な業務が入ると完全に混乱してしまいました。
また、会社にいること自体に不安を感じていたため、
曖昧な指示があっても「自分の理解不足かもしれない」と思い、
もう一度聞き返すことができず、悶々としてしまうこともありました。
一方で、働きやすいと感じたのは
特例子会社や障害者雇用のように、ADHDへの配慮がある職場でした。
このような職場では
- 業務マニュアルが用意されている
- 業務のペース配分を考えてもらえる
といったサポートがあることが多く、働きやすさを感じました。
また、会社によっては
ジョブコーチと呼ばれる、仕事の悩みを相談できる担当者がいる場合もあります。
このような環境であれば安心して働くことができ、
シングルタスクで仕事に集中することができました。
ADHDの人は環境によって能力の発揮のしやすさが大きく変わると言われています。

ADHDでも働ける方法はある
社会に出て生きづらさを感じることもありましたが、
工夫することで少しずつ働きやすくなることもあります。
例えば
- 自分で業務マニュアルを作成する
- 自分に合う仕事を探す
- 環境に合った会社を探す(特例子会社や障害者雇用など)
- グレーゾーンとして一般雇用で一定の配慮をもらう
といった方法があります。
ADHDの特性を理解して、自分に合う方法を見つけることで、
少しずつ働きやすくなることもあります。
私自身、一般企業で配慮をもらっていなかった頃は、
オリジナルの業務マニュアルを頻繁に作成していました。
それを“お守り”のようにして、同じ業務を任されたときには
混乱しないようにマニュアル通りに進めるようにしていました。
ただ、電話対応などは今でもとても苦手で、
正直なところ一般雇用には不安を感じることもあります。
また、自分に合う仕事を探す方法として
Googleなどで「ADHD 適職」と検索すると、
さまざまな仕事が紹介されています。
すぐにその仕事に就けるとは限りませんが、
「自分はどんな仕事が向いているのか」を考えるヒントにはなると思います。
また、障害者雇用の業界では
**「グレーゾーン」**という言葉が使われることがあります。
これは障害者雇用ではなく一般雇用で働きながら、
一定の配慮を受けて働くスタイルのことを指します。
障害者雇用は一般雇用より賃金が低い場合もあるため、
一般雇用を希望する人も少なくありません。
その場合、配慮は限定的になりますが、
それでも働きやすくなる可能性はあります。
自分に合う働き方を少しずつ探していくことが、
ADHDの人にとって大切なのではないかと感じています。
まとめ
今回は、ADHDの私が社会に出て働く中で感じた
**「普通の人との違い」**について紹介しました。
働き始めて感じたことは
- 普通の人はタスク管理であまり困っていない
- ミスの量が明らかに違う
- マルチタスクがとても大変
- 「普通にできるでしょ」と言われることのつらさ
- 仕事との相性が大きく影響する
- 環境によって働きやすさが大きく変わる
といったことでした。
社会に出てからは、なぜ自分だけ普通に仕事ができないのだろうと悩むことも多くありました。
しかし今振り返ると、
自分の特性を理解し、環境や働き方を工夫することがとても大切だったと感じています。
ADHDの特性があると、仕事でつまずくこともありますが
- 自分に合う仕事を探す
- 働きやすい環境を見つける
- 工夫して仕事に取り組む
ことで、少しずつ働きやすくなる可能性もあります。
この記事が、同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
私のように遠回りする人が少しでも減れば嬉しいです。



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